家族ができる6つのこと(3)
3. 暴力への対処
「お酒のことを注意すると怒り出す」「お金を出せと言って脅す」など、依存の問題にはしばしば暴言・暴力がからみます。暴力とは、力で相手を支配しようとするものです。どんな背景があれ、暴力を受けてよい理由はありません。ここでは家族の安全を第一にしつつ、暴力について整理し、対策を紹介します。
暴力の種類
暴力には、次のようなものがあります。(内閣府男女共同参画局ウエブサイトより)
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/dv/02.html#seiteki)
身体的暴力
・平手でうつ
・足でける
・身体を傷つける可能性のある物でなぐる
・げんこつでなぐる
・刃物などの凶器をからだにつきつける
・髪をひっぱる
・首をしめる
・腕をねじる
・引きずりまわす
・物をなげつける、など
精神的暴力
・大声でどなる
・「誰のおかげで生活できるんだ」「かいしょうなし」などと言う
・実家や友人とつきあうのを制限したり、電話や手紙を細かくチェックしたりする
・何を言っても無視して口をきかない
・人の前でバカにしたり、命令するような口調でものを言ったりする
・大切にしているものをこわしたり、捨てたりする
・生活費を渡さない
・外で働くなと言ったり、仕事を辞めさせたりする
・子どもに危害を加えるといっておどす
・なぐるそぶりや、物をなげつけるふりをして、おどかす
性的なもの
暴力には、それに先行するサインがあることが少なくありません。たとえば、声が大きくなる、「いい加減にしろ」「黙れ」と言う、目つきが変わる、など。そのサインが出たら、なるべく穏やかに会話を終わらせる、その場を離れるなど、最悪の事態を避けることが大切です。下の3つの原則を参考にしてください。いずれにしても、暴力の問題には、依存以外の背景が絡む場合もあります。緊急性を判断するためにも、ぜひ家族教室や精神保健福祉センターなどに相談をしてください。
暴力を受けないための
3つの原則
①説得しようとしない
言いたいことがあっても、会話を続けると危険な状態になる場合があります。
②物理的に離れる
トイレやキッチンに行く、隣の部屋に行くなど、いったん物理的に離れてください。
③逃げる
それでも危険な場合は逃げましょう。もし頻繁にこうしたことが起こるようであれば、警察を呼ぶか、身の回りの貴重品などをあらあかじめまとめておき、24時間営業のファミリーレストランやカラオケボックスなど、夜でも非難できる場所を探しておいてください。